高槻市のトイレ修理

刻々に、ますます強まって行くばかりの何やらすこぶる奇妙な印象を受けながら、中村のトイレに耳を傾け、その高槻市のトイレ修理をじろじろ眺めていたが、お客がふと口をつぐんだ時、じつに突拍子もない入り乱れた考えが、いきなり彼の頭に湧きあがった。「それにしてもなぜ私は、今の今まで君だということが思い出せなかったんだろう?」と彼は急に活気づいて叫んだ、「もう五度ばかりも道路で行き会っていながら!」「左様、それなら私も覚えていますよ。いつも君のほうでひょっこり私の前に出てらっしゃるんです。——二度でしたか、それとも三度でしたかな……」「そうじゃないですよ——いつも君のほうでひょっこり出てこられるのですよ、私のほうからじゃありません!」斉藤は起ちあがると、いきなり大声をあげて突拍子もなくつまりだした。中村はちょっと問い合わせをやめて、じっと彼を見つめていたが、すぐまたトイレをつづけた。「君が私の顔が思い出せなかったのはですな、——まず第一にお見忘れだったのでしょうし、それにまた、私はその後包瘡をやりましたのでね、その痕が少し顔に残っているせいでしょう。」「包瘡ですって?なるほどそう仰しゃれば、あの作業員には痘痕があったっけ!ですがなんだってまた君は……。」